enocah
Amor + Lenzan
Live information
凪 nagi 【詳細】
7/20(sat.) 17:00~ 1h
7/27(sat.) 17:00~ 1h
Ticket Free ※Please order 1drink or 1food. ※20歳未満入場不可
Miyanoshita Fujiya Hotel "BAR VICTORIA"
- Profile -
Amor Eva -榮波 アモル-
作曲家・ピアニスト。箱根在住。学習院大学文学部卒業。
3歳よりピアノをはじめ、幼少期は植木純氏などに師事。近年では最も敬愛するフランス人ピアニストのパスカル・ロジェ氏に師事し、多彩な表現やフランス音楽に根付く多様性の融合を学ぶ。芸術文化と自然の調和する箱根の森に拠点を置き、東洋と西洋が融合しながらも日本らしい懐かしさや間合いのある音楽を求め、創作して演奏する。
一方、学生時代より世界の平和や環境問題に高い関心を持ち国際協力や環境の仕事や、またNASAで火星の研究にも携わった一面も持つ。
Composer and pianist. Currently residing in Hakone. Graduated from Gakushuin University, Faculty of Letters.
From the age of 3, the musical journey was shaped by early piano training from Jun Ueki and others. Recent studies under the esteemed French pianist Pascal Rogé with French music have greatly influenced the approach to music and diverse expression.
Based in the enchanting forests of Hakone, where art and culture blend with nature, creating and performing original music that melds Eastern and Western influences with a uniquely Japanese nostalgia and contemplation. In addition to the musical pursuits, also involved in international cooperation, environmental work, and research on Mars at NASA, driven by a passion for world peace and environmental issues since student days.
Shakuhachi
Lenzan Kudo -工藤 煉山-
- Message -
箱根は自分にとって特別な場所。森、山、川、湖、すこし足を伸ばせば海もある。東洋や西洋の芸術も、伝統工芸も、温泉も、神社仏閣も、箱根駅伝もある。日々表情の変化する富士山も眺めることができる。観光地としての一流のホスピタリティもある。そして日本各地、世界各地からさまざまな人が訪れる。面積は100km2にも満たず、人口も1万人ほどしかいない箱根の地に、本当に質の良いあらゆるものが、独立しながらも見事に融合し調和して存在している。私はこの地に魅せられ、箱根を自分のHOMEとすることを決意した。
箱根の森に暮らしながら、自然の響きや色、香、触感、そして命を育むことと奪うこと、人間である自分がこの世界とどう調和し融合して生きるかを学ぶ。先人たちの魂のアートに触れながら、感性、哲学、生き方の刺激を受ける。そして芸術こそ、多様性を表現しながらも様々な価値観を受け入れて認め合える手段だと痛感し、ピアノという自身の原点に回帰する。
そうした箱根への敬意を込めて<Hacone> から誕生した<Enocah>。
この混沌とした世の中に、日本人として今の時代に自分ができること、伝えたいことは何か。
時には融合し、時には独立した個々の存在として同じ空間に存在する調和。
流れる時代の中で、変わらない日本らしさと融合していく日本らしさ。
それらを音楽を通して体現し、伝えていくことを自分のライフワーク(平和活動)とし、日々曲を作り音楽を伝えていく。
人が奏でる生音
音楽は生き物
機械的な美しさではなく
生き物としての生々しさ
日常から紡ぎ出されるEnocahの音たちは、今日はどう調和し、融合するのだろう。
そしてあなたがそこに、どう交わってくれるのだろう。
Amor Eva
箱根に住んで3年だ。早3年、もう3年か。10年近く前の話。僕は40歳を過ぎたあたりから、既製の音、都会に溢れている音、人の声に惹かれなくなってしまった。その何らかの表面張力のような、薄い、ただの現象のような。そうした物や日常に疲れてしまったのかもしれない。個性を必要としない社会。抽象性が必要とされない世界。
それからは、時間を作っては、ずっと旅をしていた。心地よい言伝が聴こえる音たちを求めて。それは至る所に溢れていた。海中、山頂、森。虫、動物。お気に入りの場所も増えた。しかし、それでも、住むまでには至らなかった。
何故?
その答えは、僕自身が疲弊していたもの。そのものであると気がつくのに時間はかからなかった。僕自身が、外野として見ているから。癒しとして、または娯楽として言伝を聴こうとしていたから。僕自身、声を出していなかったから。自分自身、浅はかではないか。それからは、一緒にいてくれる音を探していると、そう伝えながら会うようにした。
5年は探したと思う。
きっかけは忘れてしまった。心が沈んでいたのだけ覚えている。その日は大雨で箱根登山列車に乗っていた。とにかく森、鹿のいる森を探していた。そうして辿り着いたのが、箱根だった。まだ春前の雨は冷たく、寂しい。ふとどこかの駅で降りる。視界には、壮大な言伝があった。包まれる、心に突き刺さるまで訴えかけてくる。受け入れるでもなく、ただそれは、そこにあった。あるだけでよかった。僕は、その時、ここ、箱根に住もうと決意した。
今、僕は毎日、言伝を聴いている。耳を凝らして、時には触れてみて。
「おい、お前!」
ふと、森の中を散策している時だ。後ろから声をかけられた。振り向くが誰もいない。また声が聞こえる。
「お前は、本当にこの場所にずっとおって、箱根で、ええのか?」
ああ、言伝か。腑に落ちた。僕は頷き、即答した。
その時、僕は、この箱根から言伝を音にして、世界へ届けようと心に決めた。
Lenzan Kudo